No.133 (「ヴェルサイユ体制と国際連盟」)  : 

「国際連盟の弱点とは何か?」

国際連盟は理想を追い求めすぎたため、非現実的な面があったところに弱
点がある。本部を永世中立国のスイスのジュネーヴに置き、また紛争解決
のための武力制裁はなく経済制裁だけで、集団安全保障体制が建前になっ
てしまったこと。そしてアメリカの不参加とソ連の排除。また、総会の議
決方法が全会一致制であったため、現実の動きに迅速かつ十分に機能しな
かったことなどが挙げられる。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

国際連盟の成立が、史上初の世界連邦政府構想の実現であることに、大き
な関心を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:

戦争防止の手段としての集団安全保障体制が、国際連盟では建前に終わってしま
ったことや、その理由について的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
第一次世界大戦前の勢力均衡体制と、国際連盟成立による集団安全保障体制
の説明図を比較することで、戦争防止の手段として、後者が前者の反省を踏
まえて工夫されたことを理解している。

知識・理解:
「侵略抑制のための手段は経済制裁のみ」、「議決方法は全会一致方式」な
どが非現実的であった点や、米・ソといった大国の不参加が、国際連盟の弱
点であることについて、基本的な知識を身につけている。